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世界と日本におけるアンチエイジングの流れ Dr.米井&Dr.岩本&寺山編集長のパリ対談
ヴォイス
 アンチエイジング界の注目を集める「アンチエイジング学会」が、2006年3月にパリにて開催されました。その折に、米井嘉一先生、岩本麻奈先生、寺山編集長の3人で対談し、アンチエイジングの現状や展望、フランスと日本の意識の違いなどについて、米井先生と岩本先生に貴重なご意見をお伺いしました。
  その対談の模様を2回に分けてお伝えします。今回は世界、そして日本におけるアンチエイジングの流れ、アンチエイジングドックについてがテーマです。


世界におけるアンチエイジングの流れ

岩本麻奈先生(以下岩本):学会でのアンチエイジングの流れはどうでしたか?

米井嘉一先生(以下米井): 会場が空いていましたね・・・・・・。聞くところによると、アメリカでも廃れてきているようです。伸びているのは日本だけですね。日本は内科や歯科などのドクターもアンチエイジングに取り組んでいますが、アメリカでは美容を目的とした科のドクターがメインで、普通のドクターからすごく反感を持たれているところがあるようです。ヨーロッパもそういう傾向がありますね。

寺山編集長(以下寺山): アメリカは消費者のニーズとして、即効的な治療が受けると聞いていますが、そうではないのでしょうか?

米井: そうなのですが限界があるのでしょう。美容以外のドクターたちも関心を持たないと、外見をアンチエイジングするのみで価値が止まってしまい、日本が目指しているような「健康長寿的アンチエイジング」に発展させるのが難しいのが現状だと思います。

寺山: ヨーロッパは時間をかけて滞在型で向き合っていく患者さんやドクターが多いと思うのですが、そうではないのでしょうか?

岩本: 滞在型も確立されていますが、それ以外だと慌ただしいように、私には見えます。みんな時間がないのだと思います。

米井: 現在注目されている「プラセンタ」だって完璧ではないんですよ。それほど科学的ではないのです。

寺山: なるほど。医療としてではなく、サービスとしてのクオリティーの高さを売りにしているということかしら?

米井:それなら、バリのヒーリングスパの方が、ずっと効果がありますよ。

岩本: アンチエイジングは、注射を打ったりするよりも、スパのように心からリラックスできるやり方がいいのかもしれませんね。


日本におけるアンチエイジングの流れ

寺山: 日本ではアンチエイジングが盛り上がっている反面、ブームで終わってしまうのではないかという危機感がありますが・・・・・・。

岩本: アンチエイジング自体は、元からみんな興味があるのです。ただ、どういう風にやるのかというメソッドが飽きられる可能性はありますね。

寺山: 米井先生は、アンチエイジングという治療をやることによって、一般医の活動のフィールドが広がるとお考えになっているようですね。先ほどアメリカでは嫌がられているとおっしゃっていましたが、その点で日本とアメリカは違うのでしょうか?

米井: 日本は既存の内科学会や、普通の医師たちがアンチエイジングを理解しているのです。開業している人でも、勉強することで日々の診療にも活かしていますね。課題としては、治療に関して予防医学的なことは自費になってしまうかもしれないということです。どこから健診料をとるかは、まだグレーゾーンなのです。

寺山: 国の制度として、保険診療のボーダーラインをもっと緩和するべきなのでしょうか?

米井: そうですね、するべきだと思います。

寺山: 緩和をして予防医学的に先手が打てれば、最終的な国の保険費の負担は絶対下がってくるはずですよね。

米井: そうなんです。そうすべきだとみんな言っているのですが、まだ組織が動いていないのが現状です。

岩本: 確かに予防医学的には、日本は発展途上といえると思います。よくフランス、アメリカ、日本・・・・・・と比較されますね。フランスの医療制度はすごいですよ。民間の予防医学に関する関心度は、国がどれだけお金を使っているかによっても変わりますね。

寺山: 「検診を受けよう」と、先生も啓蒙されていらっしゃいますが、何歳になったからこの検診は自由診療、この検診は保険診療……と決めることは難しいですよね。

米井: そのあたりのことは難しいですが、私はやることはやるとアピールはしています。他のことは、後から国がすべきことではないかと思います。


アンチエイジングドックの意義

寺山:
単に人間ドックをやるのではなくて、自分の年齢というものをきちんと見直すべきだと思います。バランスがとれている人は、いろいろな意味で健康なはずです。一方でバランスが崩れている人は、恐らく生活習慣病だったり、心の面でも病んでいたりする可能性があります。通常の人間ドックや検診ではなく、アンチエイジングドックで1回自分のことを総括するのは、意味のあることだと思います。ただ、アンチエイジングドックは自由診療なので、例えば企業側が福利厚生として人間ドックの費用を負担するなど、もう少しサポートするシステムがあれば普及の一助になるのではないでしょうか。そういうスタイルを持っている企業や社会が、深刻化していく高齢化社会を正しい方向にしていくと私は思うのです。人間ドックは日本でも海外でもありますが、今、日本では自由診療でエンジングチェックができるようになっていますよね。

岩本: そうですね。けれども、問題はそれがどこまで一般化できるか、ということでしょう。やはり、お金がかかりますから。フランスなどは個人で自由に使えるお金が少ない人が多いので、一般的なところにまでは下りて来ていませんね。やはり一部の人が興味を持って、定期的にしているというのが現状なのです。


アンチエイジングドックを受けるタイミング

寺山: アンチエイジングドックは、定期的に受けるべきなのでしょうか?

米井:半年に1回でも、1年に1回でもいいので、受けて欲しいですね。30歳までは体は成長成熟で、30歳を過ぎると衰えてくるから、30歳を過ぎた頃から受けるといいですよ。

寺山: 30代で突然ガンだと言われて、真っ暗になる方も結構いらっしゃいます。若いと進行も早いですからね。私と同い年の友人も、去年1月に突然乳がんと診断されて、入院して切除をしました。すごく人生を考えさせられたようで、そういうことになる前に色々考えておけば良かったと言っていました。健康に対する意識があれば、そうはならなかったのに、と。

岩本: でも、考えることで後の人生が変わるので、その人にとってはものすごくプラスになると思います。人間はショックなことがあっても、それを乗り越えると変わるんですよ。

寺山: 後ろ向きにならずに、前向きになって自分の人生について考える機会になるのであればいいと、私も思います。身近な人がそういうことになると、私自身も考えるところがありました。そういう機会を与えられたという意味では良かったです。でも、健康が当たり前で、毎日無理をしているのに自分は大丈夫と思っている方はすごく多いのではないかと思っています。

第2回へ続く>


 

米井嘉一 先生
医学博士・内科医 同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授
プロフィールはこちら
 

岩本麻奈 先生
皮膚科医 美容コンサルタント
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寺山いくこ 編集長
美容プロデューサー mon age編集長
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