こんなにある！タバコがもたらす害

　タバコは悪い生活習慣の代表です。タバコはフリーラジカルを量産するため、健康を考えるならやめた方がいいのは明白でしょう。タバコを吸っていては、例え運動をしたり体にいいものを食べたりしていても、帳消しになってしまいます。
　では、なぜタバコは人体に悪いのか、改めて考えてみましょう。
　第一に、タバコを吸ってすぐにあらわれる症状として、血圧や心拍数の上昇、気管支の収縮などがありますが、これらは末端の血管が収縮するために起こります。これらの症状は体を緊張させることになり、皮膚温度を２〜３度も低下させ、肌のシミ、くすみ、小じわ、乾燥などにもつながります。お肌を気にする女性にとって、タバコは大敵ですよね。
　第二に、タバコにはニコチンやタールなどの有害物質が含まれますが、それを肺が取り込むことで直接的なダメージを受けます。長く続けば、やがては肺ガンや舌ガンになってしまいます。
　1日に吸うタバコの本数が増えれば、死亡率も比例して高くなります。女性と比較して男性の平均寿命が短い理由のひとつは、男性の喫煙率が高いためと思われます。
　受動喫煙も死亡率を高めるのをご存知でしょうか。例え自分は吸わなくても、周囲の人が吸う本数が増えれば、リスクも高まるのです。
　また、意外と知られていないタバコの害として、ED（勃起不全）と呼ばれる男性としての機能低下があります。EDにはさまざまな要因があると言われていますが、多くは男性ホルモンの分泌低下や、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、動脈硬化や神経機能の低下などの、加齢にともなう病気や変化に深く関係しています。これらの多くは、フリーラジカルが原因で起こりますが、タバコも大きな影響を与えているのです。タバコは血管性の勃起不全や男性ホルモンの分泌低下、血流障害なども引き起こすため、いつまでも男らしくいたい方は、タバコを吸わない方がいいのです。

	長期休暇を利用して禁煙にチャレンジ！

　では、タバコをやめるにはどうしたらいいのでしょうか。
　タバコは「何となく」では辞められません。「やめよう」と思う意思の強さが大切なのです。ただ、それには何かきっかけが必要ですよね。
　私の考えですが、喫煙者は自分が思っている以上に社会や非喫煙者から嫌われており、それを実感することでタバコをやめようと思えるのではないでしょうか。タバコがやめられない方は、家族や恋人に「タバコ臭くない？」「口臭がきつくない？」と聞いてみて下さい。おそらく「臭い」という答えが返って来ると思います。そんな一言は、タバコをやめるきっかけになるはずです。
　タバコを吸うと口臭がきつくなり、歯が黄色に変色したり、歯周病にかかりやすくなったりします。また、口腔内にガンができやすくなります。歯医者さんに行って、歯や歯ぐきをきれいにしてもらうと、歯の汚れが実感できます。それもタバコをやめるきっかけの一つになるのではないでしょうか。
　タバコをやめられない人の中には、「ストレス解消」を理由に挙げる人も多いと思います。しかし、体への害を考えれば、ストレスはタバコ以外で解決すべきでしょう。タバコを吸わないとイライラするのは、ニコチンの禁断症状です。ニコチンが体から抜けきれば、イライラすることはなくなり、タバコを吸いたい衝動もおさまります。
　ただ、ストレスを抱えたままではタバコはやめられませんよね。プレッシャー、長時間勤務、夜勤などの不規則な生活……仕事でストレスが溜ってタバコを吸っている人が、ストレスをそのままにしてタバコだけやめようとしても、ニコチンの禁断症状によるストレスまで加わり、二重にストレスがかかってしまいます。また、食欲が減退し、疲労や体調不良を感じたりすることもあります。それは、うつの症状といってよく、避けなければなりません。
　タバコをやめる前に、まず仕事などのストレスへの対策を講じることが必要ですが、仕事に追われている状態で、ストレスを感じるなというほうが無理ですよね。そこで、お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどのまとまった休みがとれる時に、禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょう。頭と体がリラックスしている時なら、「敵」はニコチンの禁断症状のみのため、禁煙しやすいはずです。
　タバコがやめられたら、タバコに代わるストレス解消法を見つけることも忘れないで欲しいですね。