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モンナージュ編集部
ドクター監修のアンチエイジングトピック
メディカル
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう 更年期って怖いものじゃなかった。
〜知って安堵、あなたにも来る更年期の実際〜 食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
巷にはダイエット食品があふれ、雑誌には様々なダイエット法が紹介されています。でも、「どのダイエット法を試してもやせない」「食べていないのに、やせないのは何故?」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、きちんと食べないとやせないことを、ご存じでしたか? モンナージュですっかりお馴染みの、栄養学博士・管理栄養士の伊達友美先生は「やせたい人は食べなさい!」と、きっぱりおっしゃいます。伊達先生ご自身も数々のダイエット法を試して、失敗を繰り返したそうです。そして「食べないとやせない」ことを発見したとのこと。そんな伊達先生が、最近の若者が抱える問題や、自分の体の声を聞く大切さなどを、熱く語って下さいました。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
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やせたい人は食べなさい!

伊達先生は、とてもきめの細かい整った肌をしています。体型はガリガリでもぽっちゃりでもなく、ほど良くほっそりしていて魅力的。快活な表情や明るい口調に魅了され、元気付けられる患者さんも多いでしょう。そんな伊達先生が、かつてありとあらゆる「食べないダイエット」をやり尽くし、拒食や過食、肌荒れに悩んでいたとはとても思えません。
 先生は、『やせにくい体から、やせやすい体へ 愛されボディダイエット』(幻冬舎文庫)や、『やせたい人は食べなさい―伊達式ダイエット成功メニュー集』(幻冬舎)など、たくさんの本を書いていらっしゃいますが、先生の著書には「食べないと代謝が悪い体になって体が冷え、どんどん悪いスパイラルにはまってしまう」と書いてあります。「ダイエット=食べないこと」というイメージがあったため、最初とても意外に感じました。「食べないとやせない」って、本当でしょうか?
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
 
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
伊達友美先生(以下伊達):
本当です。私自分が「食べないダイエット」をやり尽くした結果、「食べないと、やせないんだ」って実感したんですよ。「食べないダイエット」をしている頃は、霞を食べて生きているような感じでしたね(笑)。でも食べていないのに、本当にやせなくて。自殺も考えるくらい深刻に悩んでいました。「いっそのこと、好きなものを食べて死んでやる」って自暴自棄になったりして。
モンナージュ編集部:でも、そういう気持ちになる方って、多いんでしょうね。
伊達:多いですよ。日々そういう方々が、私のところに来るんです。最近、女子高生や女子大生が多く来院します。ある程度の年齢の方は、元々食習慣がちゃんとしているから、気付けば見直せるんです。今までの人生で、一番体調の良かった時の食事に戻して頂ければ、体も自然と元に戻るはずですから。ただ、10代の若者は経験値がないんです。
モンナージュ編集部:平成生まれの若者は、きっと離乳食から缶詰の世代ですね?
伊達:人工栄養100%の世代で、自然なものをどれだけ食べてきたか、疑わしいですね。野菜も、コンビニのカップサラダか、ハンバーガーに挟まっているふにゃふにゃレタスだけで、生野菜を食べていない。何をどうやって食べたらいいか分からないようです。「自然なものを食べたらいいよ」と言っても、何が自然なものか分からないんですね。1日の食事が、カロリーメイトとヨーグルトだけというような食生活をしている若者が多いのです。ですから、その子が食べている範囲のもので、改善法を探すしかないですね。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
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お袋の味が、レトルトの「袋の味」に変貌?

10代の若者は過激なダイエットをしていて、必要な栄養素が全然足りていないようです。でも彼女たちだって、お家のご飯は食べているはず。手作りのご飯なら、バランスが取れているのでは? そう思っていたら、先生は衝撃の事実を教えて下さいました。
伊達:最近「お袋の味」は、レトルトの「袋の味」なんです。もしくは、冷凍食品やコンビニ・スーパーのお総菜を食べているという家庭が多いですね。
モンナージュ編集部:きっと母親の仕事が忙しく、家の食事がおざなりになってしまうのでしょうね。以前、Vol.13 Medical&Cultureでの松村圭子先生との対談の折に、「食のトラブルのある人は、母親とのトラブルがある人が多い」とおっしゃっていましたが……。
伊達:愛着障害ですよね。時々、カウンセリング中もずーっと子供のそばにいてしゃべり続けるお母様がいらっしゃいますが、その場合はお役には立てませんとお断りしています。子供は親の背中を見て育つのであって、母親がずっと子供と向き合っているのはおかしい。背中で語れる親にならないと、親も自立できません。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
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空気を読むより、自分の体の声を聞け!

伊達先生のところには、過食症や拒食症の子供だけでなく、母親もカウンセリングに訪れるそうです。子供にどう対処したらいいのか分からず、「自分の育て方が悪かったのか」と自分を責める母親もいるとか……。でも先生は、「例え母親のせいであっても、そう育ってしまった以上は、そこから自分がどうしたらいいのか、自分の責任で考えて行くべき」とおっしゃいます。自分の食の問題を母親のせいにしている間は、やせられないとのこと……。
伊達:結局、現代の若者は、自分の体に責任が持てないんですよ。今「KY……空気が読めない」ことが、人として最悪の欠点のように言われていますが、他人の空気よりも自分の体の声が聞けない方が最悪なんですよ。お腹が空いたら食べる。野菜が足りないと思ったら、野菜が食べたくなる。スタミナが落ちているなと思ったら、お肉が食べたくなる。そういう体の声が聞けないから、おかしくなるんですよ。
モンナージュ編集部:鶏か卵かという感じですが、まともなものを食べていないから、自分の体の声が聞けないのでしょうね。
伊達:ええ。みんな「普通の食欲が分からない」と言うので、「本能を目覚めさせるための食事をしましょう」と伝えるんです。まずはちゃんとご飯を食べ、お肉とお魚を食べて、汁物もとる。そこから始めれば、一つずつ何かが変わって行きます。手作りできれば一番いいですが、買ってきてもその組み合わせはできますよね。
私は診療内科医ではありませんので、治療は一切できませんが、皆さんの考え方の癖を見直すために、食事を切り口に話をすることはできます。お金の相談以外は、親子問題、嫁姑問題、熟年離婚問題、浮気問題など、全て受けるというのが私のポリシーです(笑)。それらの問題が食行動に繋がるわけですから、根本の問題から直さないと、食の問題も改善しないんですよ。コンプレックスやトラウマも、自分のものとして受け止められるようになることが重要。逃げている間は解決しないんです。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
モンナージュ編集部:コンプレックスやトラウマから逃げている人たちを、自分で責任を持つという意識まで持って行くのは、すごくエネルギーが必要ではありませんか?
伊達:私が持って行くわけではなく、答えはその人が持っています。私は、それに気付くようにお手伝いをするだけ。私はその人としゃべることが楽しいからカウンセリングをやっていますし、患者さんも私と話をするのが楽しいから来てくれる。それだけで私は十分です。その中で、どうしたら食の問題が解決するのか、一緒に考えるのが私の仕事です。
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食べるのは、お腹が空いてから!

 食の本能が鈍ってしまって、惰性で食べ続ける。ファーストフード店ばかりで食事をして、栄養が偏っている……そういう若者が多いようです。伊達先生は彼女たちに、まずどのような指導をするのでしょうか。
伊達:とりあえず、「朝はお水を飲んで、フルーツを食べてね」と話します。そうすることで、何かが変わると自分で実感してもらえるんですよ。「食べることって、大事なんだ」って思ってもらえたら、しめたもの。そこからその人の興味で、自然に自分に何が合うか見付けるようになります。食べるものを変えると、肌が綺麗になったり元気になったりと、色々なところが変わるんです。それが分かると「やっぱり、いい加減なものを食べない方がいいな」と思えるようになるんですね。
モンナージュ編集部:そのきっかけを作ってあげることが、先生の役割なんですね。
伊達:そうですね。そして、その人が何に興味があるのか、見極めるんです。拒食や過食の人は、食べることに興味があるので、実は改善しやすいんです。食べることに興味がない場合は、食欲を呼び起こさないといけないから、すごく大変。そういう場合は、飲み物から改善していきます。私は、食欲のない人には「食べないでいいよ」って言うんです。すると、いつも「食べなさい」って言われてストレスを溜めているから、楽になるようです。食べるのは本能ですから、人に強要されるのは苦痛でしかない。それだけはして欲しくないですね。
モンナージュ編集部:逆に、過食を止められない人はどうでしょう?
伊達:そういう人には「本当にお腹が空いた時に食べるものは何?」って聞くんです。すると「お腹は空かないんだけど、惰性で食べている」という返事が返って来ます。「じゃあ別に、食べなくてもいいですよ。お腹が空くまで待って下さい」と、私は言うんです。
モンナージュ編集部:惰性で食べる人には、精神的な問題が関係しているんでしょうか?
伊達:女性は精神的な問題が多いですが、男性は習慣で食べているんです。「1日3回食べるもの」だと思っていて、お腹が空いていなくても食べてしまう。ですから「お腹が空いてから食べて下さい」と教えると、早く回復します。人って「食べないといけないんじゃないか」と、不安になって食べるものなんです。そこが大きな間違い。食べようと思ったら、いつでも食べられるんですよ。
モンナージュ編集部:ストレスで食べる場合は、止めない方がいいんでしょうか?
伊達:食べることでしかストレスを解消できない人は、他のことではストレスを解消できません。ですので、ストレスで食べる過食はOK。過食が止まらない場合でも、楽しんで食べて欲しいですね。ただ、惰性で食べるのは止めた方がいいです。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
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ダイエットは自己中だ!−もっと自分の体と話をしよう

現代の日本では、食の問題を抱える人が多いのでしょう。テレビや雑誌では、過食症や拒食症について、よく取り上げられています。社会現象のように取りざたされていますが、過食症や拒食症は、現代特有の病気なのでしょうか。
 
伊達:いえ、昔からあったと思います。ただ現代は、全てにおいてコミュニケーション不足なんです。マニュアル世代なので、活字で情報を得ていて、自分の感情や欲望、本能がない。でも、マニュアルで「こうあるべき」という目標と方法は教えてくれても、自分の本能は教えてくれませんよね。
モンナージュ編集部:マニュアルには「1日3回食べましょう」とは書いてあっても、「お腹が空いたら食べましょう」とは、どこにも書いていないですよね。人間にとって、本来「本能」が大事だったはずなのに。
伊達:ええ、「本能」は自分で気付かなければいけないことですから、誰も教えてはくれません。自分で自分と話をすることができない人が増えていて、それが一番困ります。泣きたい時は泣く、食べたい時は食べる。それがいけないことだと思い込んでいる人がすごく多いんです。「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育ち、わがままを言うことはいけないと思っている。
モンナージュ編集部:自分は何をしたいのか、分からない人が多いんでしょうね。
伊達:私は常々、「ダイエットは自己中だ」って言っているんです。自分が食べたい時に食べるべき。友達に誘われて、食べたくないのに食べている子がいます。仲間はずれにされることを恐れているのですが「自分が食べたくない時に『いらない』って言えないような友達なんて、本当の友達じゃないのよ」って私は言うんです。食べることだけじゃなく、進路も恋愛も結婚も、最近の若者は他人に迎合しようとする。もっと自己中になって欲しいんです。自己中とは、自分を大事にできる人。だから、魅力的に輝くんです。
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プラス思考の食べ方―引くよりも足す!

時々、あまり美人じゃなくても、女らしいフェロモンがむんむん出ていて、男性にもてる女性がいますよね? 伊達先生は「ガリガリにやせている女性は、男性にもてない。『やせること』と『もてること』は、イコールではない」とおっしゃいます。もちろん、やせている人よりも、もてる人になりたいですよね。では、男性にもてる女性らしいフェロモンを出すには、どうすればいいのでしょうか。
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食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
伊達:フェロモンを出すには、ダイエット中であってもいい油をとることです! いい油をとるようになると、悪い油を体外に出すための好転反応として、吹き出物が出る場合があります。いい油をとっていなかった人は、肌の下に汚れが溜っているんです。でもそれが治まれば、綺麗な肌になりますよ。ただ、その人に合ったダイエット方は、その人が決めて欲しいんです。やってみて良かったのか、自分の体で感じて欲しいですね。寒天ダイエットをやって冷えを感じるようなら、それは合っていないということ。寒天は「天っぺんまで寒くなる」という字の通り体を冷やしますから、夏に食べるものなんです。
モンナージュ編集部:冷えやにきびなどの症状が、食べ物から来ていると気付かない人が多いんでしょうね。
伊達:そうですね。ですから、やはり食べ物から見直しましょう。女性にとって冷えは大敵なので、体を暖めるものを食べた方がいいですね。小麦よりも米を食べた方がいいですし、お肉も牛肉を食べた方がいい。体調の悪い方にとって、今食べていないものが、その人の体を変えるものなんです。
モンナージュ編集部:変わるためには、現状ではダメなのですね。
伊達:そのまま食べていたら、そのままの状態がずっと続くことになるんです。自分に足りないものは何か、まずそこから考えて行きましょう。人は、自分が食べ過ぎているものについて考えますが、それはどうでもいいこと。食べていなかったものを食べるようになると、食べ過ぎていたものは自ずと食べなくなるんです。それなのに、食べ過ぎているものを最初に引こうとするから、うまくいかないんです。
モンナージュ編集部:食べていたものを我慢しなくちゃいけないと思うから、うまくいかないんですね! 今まで食べていなかった、新しいものに目を向ける……先生の提案される食べ方は、「プラス思考」なんですね!
伊達:そうです。だからまず、お米を食べ、汁物をとり、いい油をとり、お肉を食べる。これらを食べているうちに、だんだん本能が目覚めて来ます。あとは、多少甘い物を食べてもOK。自分がどういう時に、何を食べたくなるのか、それは体が自然と教えてくれるようになります。
食の本能を目覚めさせ、自分の体の声を聞こう
モンナージュ編集部:自分の食事に足りない物は何か、気付くヒントはありますか?
伊達:厚生労働省で「食事バランスガイド」を出していますが、それを見て自分に足りていないと思う栄養素があれば、そこから足して行くといいでしょう。
モンナージュ編集部:体にいい食べ方の順番はありますか?
伊達:朝起きたら、まず水を飲みましょう。ただ、冷える人はお湯を飲んで欲しいですね。冷たい水は便秘を助長するので、飲まない方がいいです。昼と夜は、野菜とか汁物から食べた方がいいと思います。
伊達先生のお話、ヒントになりましたでしょうか。「やせたい人は食べなさい」「お腹が空いてから食べなさい」「ダイエットは自己中だ」など、今まで常識と思われていたこととは違う、しかしとても納得できるお話が多かったと思います。ついつい「1日3回食べなくちゃ」と、食べたくもないのに食べている方は、意外と多いのではないでしょうか。
惰性ではなく、お腹が空いたら食べる。野菜が欠乏していたら、野菜を食べたくなる。そんなふうに自分の体の声を聞いてあげられる、いい意味での「自己中」でありたいですね。
 取材にご協力いただきました
伊達友美先生と

伊達友美先生のblog

「食べてきれいにやせる魔法のブログ」
「もっとキレイになる!サプリメントblog」

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