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モンナージュスタッフの「お雑煮」大公開!
師走になると、お正月の足音も聞こえてきます。お正月といえば、お節料理、お屠蘇、鏡餅……と美味しいものがたくさんありますが、やっぱり欠かせないのが「お雑煮」。一口にお雑煮と言っても、地方によって、出汁や味付け、具材はさまざま。これほど郷土色の出る料理も、他にはなかなかないかもしれません。
食に関しては地域性に富み、普段から食の話題で盛り上がることの多いモンナージュスタッフ。編集会議で各家庭のお雑煮について話しているうちに、「お雑煮比べをしてみない?」ということになりました。それぞれが愛してやまない「我が家・秘伝のお雑煮」を、簡単なレシピやエピソードと共に大公開しちゃいます。
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お雑煮のルーツ

まず最初に、お雑煮について簡単におさらいを。
お雑煮のルーツについては諸説ありますが、室町時代の武家社会で、儀礼的な宴で出されていた「烹雑(ほうぞう)」が始まりだとか。具がたくさん入っているため、臓腑が温まり保護・保養される「保臓」という言葉が由来のようです。
お正月に食べられるようになったのは、室町時代の末期頃だとか。大晦日に神仏にお供えした餅を下げて、元旦に年男が汲んだ「若水」で調理して、ご利益を頂いたそうです(神仏のお下がりだったワケですね〜)。

お雑煮の出汁や具材は地域によって千差万別ですが、餅と味付けに関しては、おおよそ下記のような分類になるとか。


  • 東日本(北海道を除く)……角餅を焼く
    西日本……丸餅を煮る
  • 味付け
    東日本・九州……醤油・塩ベース(澄まし汁)
    関西……白味噌ベース

 ちなみに、餅は望(もち)、つまり望月(満月)を現し、円満を象徴するため、昔は丸餅が主流でしたが、江戸時代以降、関東地方ではその利便性から角餅が好まれるようになったとか。
 なお、ちょっと変り種のお雑煮もあり、香川県では白味噌仕立てに小豆あんを包んだ丸餅を入れ、島根県ではお汁粉のようなあずき仕立てにするそうです。

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モンナージュスタッフのお雑煮

ではでは、モンナージュスタッフのお雑煮をご紹介。
北は北海道から南は熊本県まで、地域差はあるものの、いずれも醤油ベースのすまし汁が基本(白味噌ベースのスタッフはいませんでした……)。餅、鶏肉、人参などの野菜、小松菜などの青物を入れるところは共通していますが、出汁や具材にバリエーションが出ています。

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寺山編集長

・材料:角餅・鶏肉・里芋・人参・かまぼこ・せり
・出汁:鶏肉のすまし系
・味付け:醤油ベース
・出身地:秋田県
・エピソード:
そうですね、食べ物関連はだいたい大晦日に年越しそば、元旦はお雑煮におせち(がスタート)、2日はおせちにお餅やおしるこ、3日はおせちに(定番の)稲庭うどんみたいな正月でした。特徴は三つ葉ではなくセリをいれる。これで鶏肉が比内鶏になると、もはや「きりたんぽ」ですね! お餅は、ストーブの上で焼いていた記憶がありますが、もう東京での生活が長くなりましたので、網かレンジで。
余談ですが、お雑煮はもちろんきりたんぽや稲庭うどん……と、すべて白だしにしょうゆベースのあっさり風。皆さんが思い描く東北のイメージとちょっと違うかもしれませんね。もっと濃いのかと思った〜と、よく言われますので(笑)。
母のつくるだし汁は、ちょっとだけ甘くて(多分、隠し味に使うお砂糖だったような)大好きな味でした。なかなか同じ様になりませんが、格闘中〜(今年もね)
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スタッフ林

・材料:角餅、しいたけ、ほうれんそう、人参、鶏肉、三つ葉
・出汁:昆布&かつお出汁
・味付け:醤油ベース
・出身地:ゆるやかに北海道
・エピソード:
社会人になるまで転勤家族だったため、地域密着な生活をしておらず、土地土地のお雑煮を知らないままですが、両親が北海道出身、私も北海道在住経験ありで、遺伝子は道産子です。北海道は内地のいろんなエリアから人が集まった場所なので、各家庭では多彩な食卓がそのまま引き継がれ、北海道のお雑煮流儀ってはっきりしていないです。北海道だからといって鮭や蟹を入れるところは少ない様子(そういう食材は鍋で豪快に食べるほうが好まれるかも)。
今回作ったお雑煮もベーシックなもので、基本的な具はこんな感じで、お持ちも焼いたり、煮たり。そのときの気分で、かまぼこや大根、ゴボウなどが入ったりします。なんでもありが、北海道風?
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スタッフ酒巻

・材料:角餅、鶏モモ肉、小松菜、長ネギ、ナルト
・出汁:かつお出汁
・味付け:醤油ベース+昆布つゆ
・出身地:東京都
・エピソード:
祖母に話を聞いたところによると、干し海苔の製造業者だった祖母の実家(大森)では、1月は繁忙期だったため、お雑煮はごく簡単に作られていたとの事でした。今回作ったお雑煮の材料よりもシンプルで、味付けはかつお出汁としょうゆのみ。漁師町ということもあり、生海苔を入れたり、カキなどの海産物を入れたりするときもあったそう。そしてお餅は自家製だったので、焼かずに入れたそうです。
今回私が作ったお雑煮は、祖母から聞いたシンプルなレシピを、母がアレンジして毎年作ってくれているものです。かつお出汁に鶏モモ肉を入れ沸騰させたら、しょうゆと昆布つゆを入れて味を調えます。次は小松菜・長ネギを入れ一煮立ち。火を止めたら焼いておいたお餅を入れて、ナルトを飾ったら完成!
お餅を焼いて入れるのは、焼かないとグチャッとしてしまうからだそうです。本当にシンプルな味付けの具の少ないお雑煮ですが、おせち料理をつまみながら一緒に食べるのが大好きでした。来年の三箇日は、更に自分なりのアレンジを加えて作ろうと思います♪
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スタッフ中澤

・材料:丸餅、ごぼう、人参、大根、里芋、鶏モモ肉、車海老、三つ葉、柚子
・出汁:するめ&昆布、しいたけ出汁
・味付け:醤油ベース
・出身地:おおよそ熊本県
・エピソード
東京生まれ東京育ちの私ですが、母が熊本県出身のため、お雑煮は熊本風(とはいえ他のお雑煮を食べたことがないので、果たして本当に熊本風なのか疑問)。山のもの・海のものを色々使う、祖母から伝わる味です。祖母は鹿児島出身なので、もしかしたら鹿児島風も混じっているかも?
3、4ミリ幅に切ったするめと昆布で出汁をとり、しいたけの出汁も加えて煮立たせ、細めの乱切りにしたごぼう、型抜きした人参、大根、里芋の順に入れ、一口大に削ぎ切りにした鶏モモ肉を加えます。野菜がやわらかくなったら塩、醤油、みりんで味を調え、出来上がった頃に車海老を追加。焼いた丸餅と具をお椀によそい、三つ葉を乗せておつゆを注ぎ、柚子を乗せたら完成です。
三つ葉は4、5本束ねてくるっと巻きます。柚子の皮は丸く切り、香り添えに。我が家では人参は梅の型で、大根と里芋は松の型で抜きます。子供の頃、この型抜きが楽しみの一つでした。母が東京にお嫁に来て以来、お餅はずっと関東風の角餅でしたが、今回はオリジナルの丸餅で。
「するめから美味しい出汁が出ることは、意外に知られていないのでは」とは母談。するめの出汁に車海老、鶏肉から出る旨味が混ざり合い、甘みのある深い味わいに。山海の具を贅沢に入れ、視覚的にも華やかでお正月らしい1杯です。
ところ変われば品変わる? モンナージュスタッフの「お雑煮」大公開!

モンナージュスタッフのお雑煮、いかがでしたか?
こうやって見てみると、お雑煮は文化なのだなーと思います。その地域で取れる食材や、餅の形状・出汁・味付けなどの地域色。そしてそこに加えられる、各家庭で育まれて来た伝統の味……その隠し味には、作り手の家族への愛も含まれているのかもしれませんね。
デパートやコンビニで簡単に注文できるため、お節料理を一から作る人は少なくなっているのかもしれませんが、せめてお雑煮だけでも手作りしたいもの。時代や地域に応じて少しずつアレンジしながらも、ずっと受け継いでいきたいです。
2010年のお正月は、お雑煮作りに精を出そうかな?

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