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自分の歳は自分で決める。成熟世代のアンチエイジングサイト”モンナージュ” 最新号 BACK NUMBER
メッセンジャー
岸朝子 食生活ジャーナリスト
食からアプローチするアンチエイジング
フード
牛乳はナチュラルな健康飲料 毎日必ず飲む習慣を

「食は命」「おいしく食べて健康に」

「食は命」「おいしく食べて健康に」をモットーに、著書や講演で食べることの大切さを皆さんにお伝えしている私ですが、食生活の乱れや食品の安全性への不安など、食をめぐる環境のあまりに急激な変化に、つい嘆いたり、いきどおったりの毎日です。微力ながらもなんとかよい方向にとは思うのですが、この春、さらにショッキングなニュースを聞きました。皆さんもご存じと思いますが、北海道で生乳が余って大量に捨てられたというのです。これを知ってまず思ったのは、私の世代の人ならみなそうでしょうが、「なんともったいない………」「加工して保存できないの?」ということ。その後政府は、脱脂粉乳やロングライフミルクにして海外援助に、という方向で検討をはじめたと聞きましたが、その後どうなったでしょう。
 
それにしてもなぜ、牛乳がそれほど余ってしまったのでしょう。昨夏の好天で牧草のできが大変よくて、牛が予想外に多くの乳を出した、また、春休みに入って学校給食がお休みになる、などの短期的な理由もあったのでしょう。でももっと根本的な問題は、「牛乳は脂肪分が多くて太る」というイメージが定着して、人々が牛乳を飲まなくなっているということでは。一時期、「乳脂肪は多いほど濃くておいしい」と、各メーカーがこぞって乳脂肪率の高さを競った、そのツケが今になってまわってきているようにも思います。
 
確かに牛乳には乳脂肪が3〜4%くらい含まれています。でもそれ以上に、丈夫な体と骨をつくるのに欠かせないたんぱく質、カルシウムが豊富に含まれているとても優秀な健康飲料。このことを忘れている方が、意外に多いのではないでしょうか。肌や髪を美しく保つビタミンB2やA、亜鉛なども含有しているのですから、「太る」というイメージに振り回されて、むやみに敬遠するのはそれこそ「もったいない」ことです。

とくに骨の材料となるカルシウムは、日本人に唯一不足している栄養素。成長期の子どもから、骨がもろくなりやすい中高年、お年寄りまで、すべての人に必要なものです。牛乳のカルシウムは、200mlで約200mgと豊富なうえに吸収率もよい優等生。カルシウムの1日の摂取目安は成人で600mgとされ、私は毎朝マグカップ1杯、300mlの牛乳を飲みますから、これで必要な量の半分はとっているわけです。82歳の私ですが、骨密度は50歳代といわれています。ついでにご紹介すると、私の朝食のもうひとつの定番は、生のくだものをミキサーにかけて繊維ごと飲む、というか食べる、自称「じょろじょろジュース」。外ではとりにくいカルシウムや食物繊維、ビタミン類を朝食である程度とっておくと安心でしょ。牛乳が苦手な方は、きな粉や抹茶、インスタントコーヒーを加えたり、トマトジュースやオレンジジュースと合わせると飲みやすくなります。

すっと伸びた背筋、つやのある肌や髪を保って美しく年齢を重ねていくために、手軽にぐっと飲み干せる牛乳を、もっと活用しませんか?



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