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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

ハーブティー、紅茶と、お茶に関する取材を続けて来たモンナージュスタッフ。次はやっぱり、日本人にとって馴染みの深い緑茶でしょ!……ということで、早速取材に行くことにしました。今回モンナージュスタッフがお邪魔したのは、東銀座、歌舞伎座のすぐ近くにあるお茶の専門店「和み」。「和み」では日本茶、紅茶、中国茶、ハーブティーなど、多種多様なお茶を扱っていますが、今回は緑茶にスポットライトを当てての取材。ティーコンシェルジュの多田加奈子さんと、株式会社和み(なごみ)の井戸崇仁さんに、緑茶の美味しい煎れ方、飲み方、楽しみ方、そして「お茶」の時間を作る大切さについてお伺いしました。

心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方
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「和み」がこだわる有機栽培

産地偽造や汚染米の流通など、私たちを取り巻く「食」の環境には近年ひずみが生じているよう。テレビなどで食に関するニュースを聞くたびに、食に対する神経が過敏になり、消費者一人一人が良い企業、良い商品を見抜く目を持つ必要に迫られているようです。
そんな中、有機栽培にこだわった新鮮・安全・純粋なお茶を提供している、株式会社和み(なごみ)の取り組みは、一つのモデルケースになるのではないでしょうか。
和みのこだわりは、合成香料、合成保存料、食品添加物を使用しない、全て国内製造の良質な商品を扱っていること。緑茶に関しては全て国内産だそうです。

多田加奈子さん

和みの緑茶は全て国内産で、宇治と静岡で作られています。海外産がいけないわけではないのですが、国内産と書いたお茶の中に海外産のものが混じっていても、それが表記されないのは問題だと思います。
お客様に安心で安全なものをお届けしたいので、当社では国内の有機JAS規格認定工場でお茶を作っています。有機JAS規格の認定を得るための審査は厳しく、お茶が作られる栽培園、工場、店舗などを厳しくチェックされます。

有機JAS規格の認定を得るためには、化学肥料や農薬を控え、有機肥料を使って栽培しなければならないとのこと。農薬は、やはり茶葉に残留するのでしょうか。

  • 緑茶は蒸して作るため、農薬は飛びやすいです。ただそれは外にかけている農薬の話であり、土壌から吸収させている化学肥料に関しては、葉の中に入ってしまいます。できれば有機栽培がいいというのは、その点です。
    有機栽培は3年間土壌改良をして、化学肥料を使わないというのが前提。他の畑の化学肥料が流れ込まないよう、3メートルの空きスペースを設けています。
心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

必ずしも農薬が全て悪いとは限らないかもしれませんが、自分の口に入るものは、できれば自然な状態のものを選びたいもの。
和みは環境問題にも取り組んでおり、ティーバッグに使うテトラパックも、とうもろこしなどのデンプンからできていて、生分解するため環境にもやさしい素材なのだとか。

  • ナイロン製のテトラパックで煎れたものより、美味しいですよ。
    コストが高いので、安価なティーバックには使われていないよう
    ですけどね。
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緑茶の持つ自然治癒力 お茶って、どう体にいいの?

緑茶には様々な自然治癒力があるそうです。主なものとしては下記が挙げられるとか。

・抗酸化作用
・ガンの予防・抑制効果
・腸内の悪玉菌を減らす
・抗菌・抗ウイルス作用
・糖分の余分な吸収を抑え、急激な血糖値の上昇を抑える
 (血糖値の高い方にはいい)

心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方
  • カテキンは胃粘膜を守ってくれますが、濃過ぎる緑茶を飲むと胃に負担がかかるので要注意。また飲み過ぎると消化液を薄めてしまいますので、お茶は食後の口直し程度にして下さい。

毎日美味しく飲めるからこそ続けることができ、それにより自然治癒力もアップする。まさに一石二鳥の飲み物と言えるでしょう。ただし、いかにお茶が健康にいいとはいえ、「過ぎたるは及ばざるがごとし」。適量を美味しく飲みたいものです。

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美味しい緑茶の基本の煎れ方

お茶を煎れる正しい手順は決まっているようですが、今回は家で手軽に煎れて美味しく飲める方法を、宇治のかぶせ茶を使って多田さんに教えて頂きました。

  • 急須と器、それに湯冷ましを用意して頂きたいのですが、湯冷ましがない場合はマグカップでも構いません。ここで大切なのは、急須と器を必ず温めること。温めることでお茶の味が正直に出て、美味しい状態で飲めるからです。急須や器が温まっていないと、注いだ瞬間に一回温度が下がってしまい、平坦で固い味になってしまいます。

ちょっぴり面倒だけど、この一手間で味が全然変わるようです。使うお湯に関しては、温度調節が不可欠とのこと。

  • 特に日本茶は、温度調節をしないと好みの味が出て来ませんので、温度は気を付けて下さい。日本茶には、100度で煎れて美味しいお茶と、70度で煎れて美味しいお茶があり、温度によって味が変わるのです。日本人は「うま味」が入っていないお茶は美味しく感じない。しかし、渋味は味の感じ方が強いため、渋味がうま味に勝ってしまうと、渋味だけのお茶と感じられ「美味しくない」と思われてしまう傾向が。うま味を出すためには渋味を抑える必要があり、その分岐点が80度です。80度より上のお湯で煎れると渋味が強く出て、80度より下にするとうま味が出ます。

では、実際に煎れて頂きながら、手順を教えて頂きましょう。

心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

1まず、急須に90度のお湯を注いで、急須を温めます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

1急須と同様、湯冷ましにも90度のお湯を注ぎます。これで80度くらいにお湯の温度が下がります。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

3急須から器にお湯を注ぎ、器を温めます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

4茶葉を急須に入れます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

5緑茶はジャンピングさせると渋くなるので、茶葉をジャンピングさせないよう、湯冷ましのお湯を静かに急須に注ぎます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

6お茶を2分間蒸らします。器もお湯を入れたまま2分間温めます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

7器に入れた、あたため用のお湯を捨てます。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

8これが急須の内部。茶葉が十分に開いています。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

9急須の上部と茶葉が沈んでいる下部とではお茶の濃度が違うため、急須から少しずつ、同じ濃さになるように等分に器に注ぎます。ある程度注いだら急須をポンと叩いて茶葉の偏りを無くし、残りの数滴を均等に器に注ぎます。日本茶はナイーブなので、急須をガンガン叩かないように。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

〈二煎目〉
一煎目よりやや青みを帯びた色で、渋味はほとんどなく、甘味やうま味もひかえめになり、ぐっとまろやかになりました。

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心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方

〈一煎目〉
「緑茶=パンチのある渋さ」だと思っていましたが、想像と全然違って渋味があまりなく、甘味とうま味が良く出ています。

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初めて買ってきたお茶は、一煎目で味の濃淡を感じたら、待ち時間や温度を調節してみるといいそうです。

  • 光が当たらない、酸素を吸収しない、温度変化の少ない場所で保存……お茶の葉は水分を3%ほどに抑えることで保存できていますが、水分含有量が7%になると目に見えない変質が始まります。これは、開封した部分をクリップでとめた程度ではすぐに変質し始めますので、缶やビンに入れておくことをお勧めします。
    また、植物は強い日差しや風などを動いて防ぐことができないため、抗酸化物質を作り出して自分を守っています。私たちはお茶から抗酸化物質をもらっていますが、その成分がどんどん変質してしまうと、100%摂りたかったものが50%になってしまう。ですので、お茶を美味しく飲むためには鮮度も大切です。
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お茶の飲み方あれこれ

一口に日本茶といっても、緑茶、ほうじ茶、玄米茶など、様々な種類がありますが、飲む時間帯によってお茶の種類を変えると、より美味しく効果的に頂けるようです。

●「煎茶」と呼ばれる緑茶に関しては、朝か午後のスッキリしたい時に飲んで頂くと、体のほてりがクールダウンでき、目をスッキリ覚ましてくれます。

●食事中は、緑茶よりほうじ茶の方がいいです。緑茶は鉄分や亜鉛などの栄養素の吸収も抑えてしまうからです。

●夜に飲むといいお茶は、ほうじ茶などの焙じてあるもの、番茶などのカフェインの少ないもの。渋味が少なく、まろやかなお茶ですね。番茶は二番茶以後の固い葉や茎などで作られますが、この茎に糖分が入っているため、焙じると甘味が出て来ます。

●疲れた時は、玄米を入れたお茶がいいです。疲れると免疫力が落ちますが、玄米は免疫力をアップしてくれます。

●抹茶は葉っぱを溶いているので、水に溶けないビタミンEや繊維なども入っています。お菓子と一緒に召し上がるといいでしょう。

心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方
  • ミントやレモングラスなど、お手軽なハーブを緑茶に混ぜて、味の変化を楽しんで頂くのもいいでしょう。ハーブの世界では、お茶だってハーブ。混ぜて相乗効果を期待して頂いてOKです。

取材中にミント入りアイス緑茶を出して頂いたのですが、スッキリとした飲み口で、真夏にはぴったり。魚料理の後にも、口の中をサッパリさせられそう。

  • そうですね。講座では「お魚を食べた後は、こういうハーブティーを飲みましょう」ということもお教えしますが、ハーブティーをたくさん置くわけにはいかない環境もあると思います。そういう場合は、お茶を一つと何種類かのハーブを置いておいて、組み合わせる。ハーブはフレッシュなものでもいいですが、乾燥させることで薬効成分が凝縮されて高まるので、乾燥させたものを常備しておくといいでしょう。緑茶もハーブも、乾燥していると他の香りを吸い取る力があるので、混ぜるとフレーバーティーになります。
     お魚を食べてアミノ酸やタンパク質を摂った後に高級な煎茶を飲んでも、余計に口の中がまったりしてしまいますが、そういう時に煎茶しかない時は、焙じるという手もあります。いい煎茶でも時間が経ってしまった場合は、香ばしくなるまでフライパンで焙じることで美味しく飲めます。茶色になるまで焙じると焦げますので、緑色の状態で大丈夫です。そういう知識があると、お金をかけないでより楽しめるんですよ。

 なんとなく「緑茶は緑茶のまま飲まなければいけないもの」というイメージがありましたが、もっと自由に飲んでいいのですね。

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飲むだけじゃないお茶の楽しみ方

 お茶は飲むだけでなく、生活を彩るアイテムとしても使えるそうです。多田さんに色々なお茶の使い方を教えて頂きました。

・茶香炉
 ちょっと時間が経ったお茶は、香炉で熱すると揮発して香りが出て来ます。ただし、果物が入っているお茶は、果物が焦げるので要注意。

・香り
 緑茶には青葉の香りと海苔のような香りがありますが、その香りにリラックス効果があります。ただ日本の緑茶は蒸しているので、香り成分は中国茶に比べて少なめ。

・料理
 お茶の葉で豚肉などを煮込むと、脂肪分を分解させてさっぱりと頂くことが出来ます。また、焼き網の下にお茶の葉とお水を入れて焼くと、燻製風の焼き魚が楽しめます。オーブンで魚などを蒸し焼きにする時も、お茶がらをパラパラとかけるといいでしょう。

・掃除
 お茶がらは掃除の時に、油分で光沢を出したり、ほこり取りとして使います。

・口臭予防や抗菌・抗ウイルス
 口臭が気になる場合、お茶を少量口に含みます。喉の殺菌をしたい場合は、お茶でうがいをします。

・脱臭
 パックに入れて、脱臭剤としても使えます。

・ペットの健康
 お茶の葉には口臭予防や腸内の悪玉菌を減らす効果もあるので、口臭がするペットにお茶がらを少量食べさせます。ただしカテキンは食欲を減らしてしまうので、食べ過ぎにはご注意を。

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読者へのメッセージ

 最後に、一言ずつ読者にメッセージを!

  • 現代の忙しい女性たちには「いつも急須でお茶を煎れて下さい」とは言えません。ですが、乾燥している状態のお茶の葉に水分を注いで飲む方が、より植物の力を取り入れることができます。形式にとらわれることなく、余裕のある時は急須で煎れ、時間がない時はテトラパックでササッと煎れるなど、より自分の生活スタイルに合った煎れ方でお茶を飲んで欲しいですね。
     それと、実際にお茶の葉を見てみて頂きたい。現代では、葉を見る機会はどんどん減っています。ペットボトルのお茶では、茶葉を見る機会はないですよね? マグカップで煎れてもいいので、植物の状態の茶葉を見る機会を作って欲しいのです。茶葉を見ることで「どんなふうに育ったんだろう」と、野菜を選ぶ時と同じような感覚になる。そうすることで、植物からエネルギーをもらっていることを感じて欲しいのです。
心の余裕をつくる「緑茶」との付き合い方
  • お茶を楽しんで頂きたいですね。お茶に関する知識も持って頂きたいですが、仕事が終わった後に、ストレス解消にお茶を1杯飲むなど、お茶を飲んで和んで頂きたい。お茶を通して、贅沢な時間を過ごしてもらえたらいいなと思います。

 口に入る物は、みんな生きているもの。現代では缶やパック、ペットボトルに入っていて、それが元々どういうものだったか、あまり考えずに飲み食いしていることが多いように思います。毎日1杯のお茶をゆっくり飲むことは、忘れがちなことを気付かせてくれるのかも。そこから環境問題に目が行くなど、徐々に世界が広がっていくのかもしれません。

 取材にご協力頂きました
株式会社和み 銀座本店
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座4-13-1
電話:03-3541-0753
営業時間:月〜金:11:30〜20:00
土曜日:11:30〜19:00
定休日:日・祝
ホームページ:http://www.nagomi-tea.co.jp/
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