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Beuaty & Medical
 
ヘアケア特集第三弾!白髪との向き合い方

白髪の気になる季節、いや年齢です。皆さん一体どんなケアをしていますか?髪の生え際にちらほら見え隠れしたり、頭のてっぺん辺りでツーンとたっているのを発見して、ついつい毛抜きなんかてピンッと抜いてしまったりしていませんか?初期の頃はそうでも、量的にも目立つようになってくるとやはりヘアカラー?

白髪の出てくる時期は人によって個人差はありますが、果たして予防やケアの仕方は、どんなものがあるのでしょうか?そもそも白髪とは何なのでしょう?2006年12月取材のヘッドスパ2007年3月取材のヘアデトックスに続き、2008年は白髪に注目してみたいと思います。

Q:白髪は抜いてもいいの?
毛根が傷つき、大きなダメージを与えてしまうので、次に毛が生えてこなくなるかもしれません。気持ちはわかりますが、抜くのは絶対にNG!です。

Q:一晩で髪が真っ白って本当にあるの?
これはありえません。地肌から先の髪は、すでに毛根部で髪となるときに色素をもらいます。

Q:若白髪ってやっぱり遺伝?
解明されていない部分が多いので、はっきりとは言えません。

Q:ヘアカラーは髪にとって良くない?
ヘアカラーをすることによって、髪そのものを染めていくわけですからダメージが無いとは言えません。ですからトリートメントを併用したりその後のケアを重要視すべきです。

Q:ドライヤーはかけない方がいいの?
髪や頭皮が濡れているとダメージを受けやすいので、乾かしましょう。ただドライヤーの使い方次第ではダメージを与えかねないので気をつけます
1 白髪は医学的にもまだまだ解明途中の現在進行形・・・。

生え際の白髪隠しや、ヘアカラーとか毛染め(おしゃれ染め?)といわれるものにまだまだ抵抗のある方もいるかもしれませんが、40代にもなると(!)、そうも言っていられないお年頃。予防というよりは、すでにある白髪と、どのように向き合っていくのかが気になるところ。もちろんこれ以上、増やさないための予防にも対処したいですよね。

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白髪になる仕組みは徐々に解明されつつある現代らしいのですが、「メカニズムは解ってきていても、では何が原因で白髪になってしまうのか?という根本の原因は、未だ解らないことが多いのです。」というのは、日本ロレアル株式会社 プロフェッショナル プロダクツ事業本部 日本−アジア技術開発 の、中里浩司マネージャー。(以下、中里さん)

現在、わかっている原因候補としては以下の5つが挙げられるとか。

□病気・疾患・薬の副作用
□加齢によるもの
□栄養不足(ビタミンAや鉄分など))
□精神的なイライラ、ストレス
□遺伝的要素

ということは、食生活に気をつけて、一般的に髪にいいものとされている食品を食べ、ノンストレスな生活を送り、病気にならず・・・となれば良いのでしょうが、なかなか完璧にはいきませんよね。まずは毛髪の仕組みを知ることにしましょう。

毛髪の構造図毛髪の構造図
2 毛髪の構造図(資料提供:花王)
 
2 毛髪の仕組み、重要なのは毛根部
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「髪ってね、爪とかと同じように肌の角質層が変化したものなんです。だから肌の一部っていうわけです。意外でしたか?」(中里さん)

「図を見ながらご説明しましょう。毛髪というのは毛幹部と毛根部の二つに分かれます。毛幹部は地肌から出ている部分で目に見える、一般的に髪の毛と呼んでいるところ。毛根部は地肌の中にある部分です。毛根部の下端に球根状に膨らんでいるのが、髪の製造工場である毛球で、成長期(伸びる時期)*1の毛球の中には、毛乳頭と呼ばれる部分(毛球中央の球状くぼみ)があり毛乳頭細胞がぎっしり詰まっていて、この細胞が毛髪を作る指示を毛母細胞に出すと、毛球にある毛母細胞が盛んに分裂し、分裂した細胞が角化しながら押し上げられて毛髪を作り出していきます。毛母細胞の分裂は毛細血管から送り込まれる栄養や酸素で助けられています。髪の色素であるメラニンは、やはり毛球部にある色素細胞(メラノサイト)でつくられて毛母細胞に取り込まれていくわけです。」(中里さん)
*1・・・下記、文章内の髪の寿命とヘアサイクルを参照

3 毛幹部(髪の毛)は3構造に

1本の髪は大きく分けると3つの層からなり、一番外側(毛表皮)をキューティクル、中間部(毛皮質)をコルテックス、中心部(毛髄質)をメデュラといいます。

毛髪の構造図毛髪の構造図
2 毛幹部の断面図(資料提供:花王)
 

キューティクル
一番外側のキューティクルは、かたいタンパク質が主成分。半透明のうろこ状のものが平たく4〜10枚重なって、内部を守る働きをしています。表面は18-メチルエイコサン酸(MEA)と呼ばれる脂質でおおわれていて、MEAは毛髪表面の摩擦を低減する役割をしています。これが紫外線やヘアカラーやブリーチで失われてしまうと、感触の悪化につながります。最表面にあるため、摩擦にさらされ傷つきやすいのが特徴。髪のツヤや感触を左右しています。

コルテックス
髪の85〜90%を占めるコルテックスは、繊維状のタンパク質が主成分。この部分のタンパク質・脂質・水分量が、髪の柔軟性や太さに影響します。また、主にこの部分に含まれているメラニンの種類と量によって、髪の色が決まります。

メデュラ
髪の中心にあるメデュラは、やわらかなタンパク質と脂質が主成分で、外的刺激などで空洞ができやすいのが特徴です。ここに空洞があると、透過する光が乱反射し、白っぽくくすんで見えることが、近年の研究でわかってきました。

4 髪の色はメラニン色素の種類と量で決まる

地毛の色は、主にコルテックスに存在するメラニン色素の種類と量によって決まります。メラニン色素の種類は、ユーメラニン(黒褐色系)とフェオメラニン(黄赤色系)の2つがあり、メラニン総量が多いのは黒髪でメラニン総量が少ないのはブロンド。栗色は、その中間です。赤色系の髪にはフェオメラニンが多く含まれています。そして、いずれのメラニンをもほとんど含まないのが白髪です。

毛髪の構造図毛髪の構造図
2 髪の断面図(資料提供:花王)
 
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「毛母細胞が作り出す毛髪はもともと白髪なんですよ。」というのは、花王株式会社 総合美容技術研究所 主任研究員の杉野久実さん。(以下、杉野さん)

「老人性白髪の大部分は、毛球部のメラノサイトが減少したり、消滅するのが原因と考えられています。その他には、メラノサイトの働きが低下してメラニンの作られる量が少なくなったり、メラノサイトから毛母細胞に取り込まれにくくなったりする事も原因として考えられています。」(杉野さん)

5 髪の寿命とヘアサイクル(毛の生えかわる周期)
ヘアサイクル
2 ヘアサイクル(資料提供:花王)
  髪は、一定の期間を経ると自然に抜け落ちます。そして、抜け落ちたところから、また新しい髪が生えてきます。この周期を「ヘアサイクル」といって、およそ4〜6年です。髪は1本1本ヘアサイクルが異なり、脱毛の時期がちがうため、通常は一度にまとめて抜けることはありません。また個人差はあるものの、髪は1日に0.3〜0.5ミリ、1カ月で約1.2センチ、1年では約15センチ程伸びます。
6 白髪ケアに必要な事って?

白髪の根本原因がはっきりしないのがスッキリはしませんが、さまざまな研究が現在進行形ということであれば、いずれ解明される時期が来るということでしょう。それにしてもヒトの体はまだまだ謎が多いようです。

こうして見てくると、白髪ができてしまう原因が何にせよ、髪の毛の製造工場と呼ばれる毛根部内の毛球周辺にキーがありそうです。この部分の環境を良くすれば、当然、健康な髪が生まれやすく、またすくすと育ちやすいはず。そのために普段、私たちはどんな事に心がければよいのでしょうか。

1 「頭皮の血行不良はあってはなりませんね。実はあまり動かすことの少ない頭皮はかたくなりやすいので、血流を促して、毛根に栄養や酸素が行き渡る環境を整えることが不可欠です。」(中里さん)
1 「大事なのは、洗い方。まずは洗い方をしっかりと覚えてください。」(杉野さん)

そしてお二人のお話の共通点は、日頃の自宅でのシャンプー&トリートメントの仕方でした。洗い方には当然すすぎ方も含まれるわけで、このすすぎが、かなりポイントのようです。

<シャンプー&トリートメント> <シャンプー&トリートメント>
プレすすぎ 1 「予洗いを必ず!お湯での予洗いで6-7割の汚れが落ち、しかも頭皮が柔らかくなります。サロンテクニックを盗んで!」(中里さん)
シャンプー 1 「髪を洗うというより地肌を洗う感覚で。泡は髪と髪の摩擦を抑えますから、指を使って爪を立てずによく洗ってください。」(杉野さん)
  1 「頭を3等分くらいに考えて、1/3ずつ丁寧に少しずつ、頭皮を動かすように、しかも優しく洗うことが重要です。」(中里さん)
すすぎ 1 「シャンプーした時間だけすすぐ。3分なら3分すすぎを。」(中里さん)
  1 「泡が消えても、頭皮にシャンプー剤を残さないで。特に耳の後ろにすすぎ残しが多いので、気をつけて。」(杉野さん)

ここでシャンプーは2度洗いなのか、1度でいいのか?

  1 「泡が充分に立っていたり、毎日洗っている方は1度洗いでもいいのではないかと思います。」(杉野さん)
  1 「1度目はクレンジングのつもりで、2度目は頭皮のマッサージのつもりですると、地肌も喜びますよ。」(中里さん)

※いずれにしても、すすぎはしっかりと念入りに!

トリートメント 1 「トリートメント剤は残っていたほうがしっとり&スルスル感がある気がしますが、しっかりとすすいでください。優しく指を通しながらしっかりすすぐことで表面を滑らかにする成分が薄く万遍なく行き渡ります。」(杉野さん)
  1 「耳から下ぐらいになじませるように髪にのせ、その後しっかりとすすいで下さい。すすぐ際に髪全体に行き渡り、必要分はきちんと残りますから。」(中里さん)

どうですか?!白髪の話だったはずなんですが、毎日のお手入れの仕方の積み重ねが大事だと気づかされます。時間がないといって充分なすすぎをせずに雑にならない様気をつけたいものです。

もうひとつ。
それでも、白いモノが目立ってきてしまったときのケアを考えてみます。

1 「白髪染め、と言ってしまわずに、ファッションのひとつのように楽しむ気持ちでカラーリングすることをオススメします。」(中里さん)
1 「髪全体のカラーリングに抵抗があるようでしたら、部分的にカラーリングできるものも出てきているので、うまく使うといいのではないかと思いますよ。」 (杉野さん)

もしかしたら気の持ちようかもしれませんね。しかしながら、今度は気になるカラーリングによる髪のダメージ・・・・。

7 傷んだ髪は、どうなっているのか?
 
1 「健康な髪はしっかりキューティクルによって守られています。が、カラーリングをはじめ、他にもドライヤーやパーマ、間違ったシャンプー方法やブラッシングが刺激となって、表面のキューティクルが傷む。こうなるとつやは失われて防御機能が低下し、髪はダメージを受けてしまうというわけです。」(中里さん)
1 「ヘアカラーの後に髪のゴワつきやパサつきを感じるのは、髪の結合を司る繊維にダメージが起きたり、髪をしなやかに保っている脂質などが流出してしまうことも影響しています。」(杉野さん)
1 「良くない刺激が繰り返されると、髪の表面に加え、髪の内側にも当然ダメージがあり髪の構造が弱まる。つまりタンパク質や脂質などが流れ出てしまうのです。そうなると髪にはツヤがなく、美しくありません。」(中里さん)
1 「髪には自己修復機能がないため、一度傷めると、自然には元に戻りません。だからこそ日頃のシャンプーやスタイリング時に、髪の傷みを進行させないことが大切です。」(杉野さん)
〜最新情報〜
メラニン色素を作り出しているのが色素細胞(メラノサイト)、そして色素細胞のもとになるものが「色素幹細胞」。これは毛根の中ほどに密集していて、ヘアサイクルに従って毛根の根元方向に動き、毛乳頭周辺の「毛母基」で色素細胞となり、メラニン色素を作り出して毛髪内に取り込まれます。黒髪が白髪になるということは、色素幹細胞や色素細胞のがなんらかの原因で働いていない状態だと考えられます。21世紀は再生医療の時代。そこで注目されているのが幹細胞です。体のあらゆる元となる細胞で様々な応用がきくと言われ研究がされており「色素幹細胞」が働く条件が分かれば白髪を予防出来る時代がくるかも?

さあ、今日から髪に対する意識を少し高めて美髪を手に入れましょう!

ヘアケア特集第三弾!白髪との向き合い方
2 髪のダメージ図(資料提供:花王)
 今回取材にご協力して下さった方々
日本ロレアル株式会社 プロフェッショナル プロダクツ事業本部  日本−アジア技術開発 中里浩司マネージャー。   日本ロレアル株式会社 プロフェッショナル プロダクツ事業本部
日本−アジア技術開発 中里浩司マネージャー。

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花王株式会社 総合美容技術研究所 主任研究員 杉野久実さん。   花王株式会社 総合美容技術研究所 主任研究員 杉野久実さん。

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