 |
 |
 |
|
 |
 |
|
今回はモンナージュプロデューサーの林が、イタリアに古くから伝わるメディカルハーブの歴史を知ることが出来る、イタリア唯一のハーブ博物館「ABOCA MUSEUM」の訪問レポートをお伝えします。
日本ではハーブやアロマというと、アロマエッセンスをポットで香らせたり、リフレッシュやリラクゼーションを目的としたトリートメントやマッサージというイメージが強く、なかなか植物療法や芳香療法といった統合医療や民間療法と結びつくサービスや商品を思い浮かべることはまだまだ少ないと言えるのではないでしょうか。それもそのはずで日本ではエッセンシャルオイルをはじめとするアロマ関連の商品はみな雑貨扱いであり、元々古くからハーブ類を中心とした薬草を使いこなし、誰もが持っている体内の自然治癒力を引き出すことによる植物療法として独自の発達を遂げてきたヨーロッパの国々とは、その生い立ちが大きく違っているからです。 |
| 今回、私が訪れたのはイタリア中部トスカーナ州のSAN SEPOLCROにある「ABOCA MUSEUM」というハーブ専門の博物館です。 http://www.abocamuseum.it/ 「ABOCA MUSEUM」は、1000年以上の歴史がある、古い城壁に囲まれた旧市街の中ほどに位置し、とても趣のある古いお屋敷を改装した洒落た佇まいの博物館です。ここではイタリアに古くから伝わるメディカルハーブの歴史的資料や実際に植物からエッセンスを抽出するための様々な器具や装置など、とても多くの展示物が一般に公開されておりました。また、18世紀初頭のファーマシーや調剤室を再現したスペースもあり、当時のイタリアの人々が日常生活の中に植物療法を取り入れて、疾病治療や健康管理にハーブや植物の力を活用していた様子がうかがい知ることが出来ました。
|
|
|
また、博物館の隣にはこの「ABOCA MUSEUM」を運営するイタリアではとても有名なハーブブランド「ABOCA」http://www.aboca.it/ の現代版ファーマシーが併設されており、美容と健康のための様々はハーブ製品やスキンケア用品、サプリメントなどが販売されておりました。また、それらの製品の多くがオーガニック認定を受けたものや、原材料を限りなくオーガニックにこだわった製品が多く、単純に食材としてオーガニックにこだわるだけではなく、肌につけるものやサプリメントの類に至るまで、自分の身体に取り込むものは可能な限り自然界のなかで自然な環境で育ったものを摂取しようという、イタリア人の価値観とごくごく当たり前なこだわりを強く感じました。それは18世紀のファーマシーと比べてみても美容や健康に対する基本の考え方は変わっておらず、お店の見た目やそこに並んでいる薬（製品）たちは姿をかえども、そこで提供されるサービスは何百年も伝わるメディカルハーブ＝植物療法に他ならないと思いました。 |
日本でもようやく食の領域では、自然食品やオーガニックを求めるユーザーが増えてきたこともあって、様々な商品が輸入されたり、作られたりするようになって来ました。しかし、美容の領域ではまだまだ、一般消費者がケミカルなものとナチュラルなものをキチンと理解し、そのうえで自分のポリシーをもって製品やケアの方法を選ぶというレベルにまでは達していないように思えてなりません。一部の先進的な消費者の間では、既に天然由来ということだけではなく、その原材料の農法や工法に至るまでこだわっている方（例えばオーガニックや原産国など）も出てきてはおりますが、海外特にオーガニック先進国のイタリアやフランスなどと比べると、日本はまだまだこれからだと言えるでしょう。 元々、日本人も古くから生薬や漢方など薬草を使った自然療法をごく当たり前に行ってきたはずですから、ここら辺で再度、植物が持つ力というものを見直してみてもいいのではないでしょうか。
|
|
 |
||||||
| Information | ||||||
|
||||||
 |
